闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
▲過去▲
「諒真さぁ~ん!!腕折ってぇぇ~♪」
「ぎゃあああ!!!圭太ぁぁぁ!!!!」
「やめろ近寄るな諒真!俺にも被害が及ぶだろ!!」
・・・もう、何度これを繰り返したことだろう。
逃げ回る若木諒真、彼を追いかけるあたし。
かれこれ数ヶ月はこの状態だ。
あたしは鬼ごっこするためにあんたに近寄ったわけじゃないのに!!
あたしと若木諒真の距離は、いっこうに縮まらない。
いろいろな意味で。
「はぁっ……はぁっ………!」
ぜいぜいと肩で息をしながら、圭太という黒髪男の後ろに隠れる若木諒真を睨む。
こいつ、早く言いなりになりなさいよ。
あたしは一刻も早くあいつらを殺したいのに。