闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
「……憎んでねぇよ」
上から降ってきた言葉に、思わず顔を上げる。
若木諒真は、目尻を下げて笑っていた。
「お前、反省してるみたいだし。それに、蓮央とさっきーが会えたのも、元を正せばお前のおかげだしな。やったことは正しいとは言えねぇけど、結果オーライってやつか」
「は……?何、言ってんの?」
言っていることが理解できず、ただただ見
上げるばかりだ。
「落ち着いたら、ちゃんとさっきーに謝れ。大丈夫だ、俺がついて行ってやるからよ」
白い歯を見せて笑う諒真さんは、さっきとはまるで別人。
優しくて、あたたかい笑顔。
「とりあえず化粧直して、今日は帰れ。俺は飲みに行ってくるから。じゃーな!」
若木諒真はやっとあたしを離し、頭を撫でて部屋から出て行った。