闇桜〜銀色のキミに恋をした〜



…………帰ろうかな。


ここにいるだけ、時間の無駄だ。


殺されたくもないし。


そう考え、踵を返そうと振り向くと。



「おわっ!?」



目の前で、銀色の何かが揺れた。


突然のことに目を瞬かせる。



目の前に立っているのは、前かがみになった微妙な姿勢で固まっている若木諒真だった。



「……若木諒真?」


「何でフルネームなんだよ。諒真でいい」



姿勢を戻しながら苦笑いする若木諒真。


何がしたかったんだろう。



「……諒真さん、は、集会だったんだ?」


「あぁ。寝たら怒られたよ」



おちゃらける諒真さん。


でも、目は笑っていない。


かなり辛そうな目。


ちくりと、胸が痛む。

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