闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
「……女の両手足折っといてよく言えるわね」
「あ、あれは酔ってたし……?」
それで折ったわけ?
呆れる。
「アンタって歩く爆弾なのね」
「おぉ!それかっこいいな!!」
「……歩くバカ爆弾だわ」
「バカじゃねぇよ!!」
何だこの茶番は。
くだらない。
……でも、まぁ、そんな悪くは、ない。
「それよりよ。お前に言いたいことがあったんだけど」
「何?」
諒真さんは少し周りを警戒しつつ、小声で言った。
「集会所からここに来る時、別の組の雑魚ヤクザから『九條奈緒を知ってるか』と聞かれたんだよ」
ドクン……
心臓が音を立て、背中を冷たい汗がつたう。
「何て……答えた、の…?」
「どんな女だ、って聞き返したら、『茶髪の美少女』とか言っててよ。知らねぇって言っといた」
良かった……
心からホッとした。