闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
「俺が、お前を守る」
「…………は?…何、言ってんの?」
信じられる、わけないじゃん。
「あたしはあんたらの姫を陥れ、傷つけ、苦しめた。そんなあたしを守る?ふざけるのも大概にして!」
胸を押し返して諒真さんの腕の中から逃げ出す。
そんな冗談、今は聞きたくないの。
期待、してしまうから。
「嘘じゃねぇ。お前が危険なときには俺が守るから」
「そんな保証どこにあるっていうの!?あんたの親も、ヤクザなんでしょ!?敵は作りたくないって、どうせ逃げるのよ!!」
「っ……奈緒…………」
「呼ばないで!あんたのせいよ!!利用してやるつもりだったのに!!そしたら、迷いなく突き放せたのにっ!!」
目から涙が溢れてくる。
「こんな……こんなことされたら、無理じゃない!!前よりもっと苦しくなった!!
……もう、関わらないでっ…………!!」
「奈緒……」
「嫌だ!!そうやって呼ぶから、期待するのよ!!いつもみたいに、『お前』って呼んでよ!!!」
「奈緒!!」
また、抱き寄せられる。