闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
「っていうか……出かけなくていいの?」
「あぁ、もう用は済んだしな」
そう言って微笑む諒真さんに少しドキッとした。
悔しいけど、顔だけは超一流だし……。
今までたくさんの女を落としてきたに違いない。
__ズキッ……
……あれ?
今の、何?
何か……胸が、痛かったような…………?
「奈緒?どうかしたか?」
「えっ!?あ……何でもない」
そうか、と諒真さんはまた笑った。
八重歯を見せて笑うその姿に、つい見惚れてしまう。
……って!!
何で、こんな男をかっこいいとか思ってるわけ!?
確かに、顔はいいけど、料理下手だし、二重人格だし、怖いし!!
好きになる要素なんて、ないし!!
・・・好き?
ふと顔をあげて、テレビを見る諒真さんの顔を盗み見る。
__ドキンッ……
また、心臓がはねた。
諒真さんの顔はとっても整っていて、それに惚れる女の人は多いだろう。
……でも、あたしが見ているのは顔だけじゃない気がする。
諒真さんの存在自体に、胸が、締め付けられるの。
これは……何?