闇桜〜銀色のキミに恋をした〜





「っていうか……出かけなくていいの?」


「あぁ、もう用は済んだしな」



そう言って微笑む諒真さんに少しドキッとした。


悔しいけど、顔だけは超一流だし……。


今までたくさんの女を落としてきたに違いない。




__ズキッ……




……あれ?


今の、何?


何か……胸が、痛かったような…………?



「奈緒?どうかしたか?」


「えっ!?あ……何でもない」



そうか、と諒真さんはまた笑った。


八重歯を見せて笑うその姿に、つい見惚れてしまう。



……って!!


何で、こんな男をかっこいいとか思ってるわけ!?


確かに、顔はいいけど、料理下手だし、二重人格だし、怖いし!!


好きになる要素なんて、ないし!!



・・・好き?



ふと顔をあげて、テレビを見る諒真さんの顔を盗み見る。




__ドキンッ……



また、心臓がはねた。



諒真さんの顔はとっても整っていて、それに惚れる女の人は多いだろう。


……でも、あたしが見ているのは顔だけじゃない気がする。


諒真さんの存在自体に、胸が、締め付けられるの。



これは……何?



< 89 / 185 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop