闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
「分かった、淋しいんだろ?ほら抱っこしてやるから来い」
「……誰がっ!」
にやけながら腕を広げた諒真さんをガン無視し、テレビを見る。
彼が見ていたのは意外にもニュース番組。
成績の良くないあたしにはさっぱりだ。
今も高校には行っていないし。
「ノリ悪ぃな、奈緒は。ヤケ酒だ!!」
泣き真似しながらビールを飲み干す諒真さん。
最初の怖さとのギャップが大きすぎる。
『黙れ。殺されてぇか』
こんなこと言ってて敵意むき出しだったのに……
ちらりと斜め向かいに座る彼を見る。
「奈緒ちゃんが〜いじめるのぉ〜!」
ピール一本でこんなに酔っ払っちゃって。
何考えてんだか……。
昼間からビール飲むからこんなんになるんじゃん……。
あ、そういえば、お風呂入りたいな。
昨日寝ちゃったし。
「諒真さん、お風呂どこ?」
「ん〜?そこ〜」
「そこってどこ?」
「向こう〜」
・・・疲れる。
全く分からない。
自分で探さないとダメかな。
はぁ、と溜息をついて立ち上がり、廊下に出ようとすると。