闇桜〜銀色のキミに恋をした〜
「可愛い子はっけぇ〜ん♪」
「は?……っきゃ!?」
腕を急に引っ張られて、バランスを崩して倒れ込んでしまった。
その勢いで諒真さんを押し倒す形になって、諒真さんの顔が近くにある。
「っ……!」
心臓が早鐘のように打つ。
急いで離れようとしても、腕を掴まれていて思うように動けない。
完全に酔った諒真さんの目は据わっている。
「あれぇ〜?積極的だねぇ〜?」
「離してよこの酔っ払い!!」
「だめ〜♪」
「な……わぶっ!?」
ぎゅううっと胸に押し付けられ、呼吸困難。
く、苦しい……!!
この人絶対これがあたしってこと忘れてる!!
「なんか甘いの食いたい〜。食っていい?」
あたしを抱きしめたまま尋ねてくる。
甘いのって……チョコとか?
お酒にチョコって聞いたことないけれど、確かあたしのバックの中に入っていた気がする。
「分かった。今持ってくるから離し……」
最後まで、言えなかった。