merit
運命の出会い
それはいつもと変わらないある日の放課後のことだった。
《キーンコーンカーンコーン…》
「ふぁ〜っ…」
大きなあくび共にチャイムが鳴り響く。
待ってました、と言わんばかりに鬱陶しいくらいある教材をカバンにしまう。
また面倒な1日が終わった。
家には帰りたくないからどこかに寄って帰ろう、そんな事を考えながら教室を出ようと扉を開けたその時…
「すいません。沢井龍斗さんいますか?」
「え…? お、俺だけど…?」
思わずオドオドせずにいられなかった。
目の前に立ちはだかるように一人の女子が現れたのだ。
ぱっちりとした大きな目に、透き通るように綺麗な肌。
腰まである長い髪は、ツヤツヤで思わず触りたくなるほどだ。