幸せの定義──君と僕の宝物──
リュウはコーヒーを飲みながら、とにかくルリカを刺激しないようにしようと、必死で平静を装った。

「まぁ…ハルももう高校生だし…ハルが望むなら仕方ないんだけどさ。私らもそれくらいの歳の頃には普通にやってたし?」

「ハルとオレらを一緒にすんなよ…。」

「まあ…それはさておき…最近ハル、なんかおかしいんだよね。」

「ハルがおかしい?」

「いつもは遅くなるなら誰とどこにいて遅くなるとか連絡するのに、最近は連絡もしないで帰りが遅いんだよね。元気もないし…なんか、毎朝泣き腫らしたような目してる。」

リュウはルリカの話を聞きながら、この間の夜の事や、翌朝何も言わずにハルが帰ってしまった事を思い出していた。

「リュウト、ハルからなんか聞いてる?」

「いや…聞いてるっつーか…聞かれたっつーか…。」

「心当たりあんの?」

リュウは、ハルが一人で訪ねてきた日の事をルリカに話す事にした。

「ハルにな…好きだって言われたんだ。」

「いつもの事じゃん。」

「いや…いつものじゃなくてな…。ハルがオレの事を好きなのは迷惑かって聞かれたから…迷惑ってわけじゃねぇけど、身内だから恋愛とか結婚とかって言うのは違うだろって答えたんだけど…ハル、泣き出してさ…。」

ルリカはリュウの話を聞いてため息をついた。

「それだね…。アンタが思ってる以上にハルは本気でアンタの事、好きだから。」

「そう言われてもな…それ以外、答えようがなかったんだよ。実際、ハルは身内だし…まだ15だろ。オレの歳の半分以下だ。」

「そうなんだけどね…。ハルが好きだって言うんだから、しょうがないじゃん。」


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