幸せの定義──君と僕の宝物──
「姉貴はハルの母親としてさ…ハルがオレと…とかなったら、どうすんだ?」

「いいんじゃない?どうせ血は繋がってないんだし…。ハルが幸せなら私はそれでいいけど。小さい頃からリュウトの事が好きだってあんなに言ってんだから。」

「いいのかよ…。」

あまりにもあっさりしたルリカの言葉に、リュウは両手で頭を抱えた。

(なんだかなぁ…。世間の普通の親とは考え方が違いすぎる…。)

「とりあえず…リュウトにはリュウトの事情があるだろうけど…ハルにはハルの気持ちがあるんだよ。もう、ふたつやみっつの小さかった頃と同じじゃないし。」

「そんな事はわかってるよ。わかってるから…できるだけ変な期待はさせねぇようにと思って距離置いてんじゃねぇか…。」

リュウはため息をついてコーヒーを飲んだ。

「ふーん…。って事は、リュウトはハルの事、ちゃんと女として見てるんだ。」

思いもよらない事を言われ、リュウは驚いてコーヒーを吹き出しそうになった。

「はぁ?なんでそうなる?」

「だってさ。ハルの事、ただのガキな姪っ子だと思ってるなら、本気になんてしないで笑って聞き流すよ。女だと思ってるから、ハルとの関係とか歳の差とか、ハルの気持ちとか、いろいろ気になるんじゃないの?」

リュウは混乱して、また頭を抱えた。



< 124 / 241 >

この作品をシェア

pagetop