幸せの定義──君と僕の宝物──
その頃。
ハルは男の子と一緒に公園のベンチに座っていた。
もうかれこれ、1時間半ほどもそうしている。
隣に座っているのは、ヨウスケと言う隣のクラスの男子で、高校に入学してすぐの頃から何度となく“付き合おう”と言われている。
ハルはヨウスケと、学校の友達の事や好きな音楽の話など、他愛もない会話をして時間を潰していた。
ヨウスケと会話しながらも、ハルはリュウの事を考えていた。
(はぁ…。やっぱり、顔合わせづらい…。帰りたくないな…。)
時計を見ると、もう9時半になろうといる。
(ママ、心配してるかな…。とーちゃんは…ハルの心配なんか、しないよね…。)
ハルがぼんやりと考えていると、ヨウスケがハルの顔を覗き込んだ。
「宮原…どうかした?」
「…ううん、なんでもない…。」
ヨウスケに目をじっと見つめられ、ハルは慌てて目をそらした。
「なぁ…宮原…。」
ヨウスケがハルの肩に手を回した。
ハルは驚いて、身動きができない。
「オレ、宮原の事、マジだから。」
「……。」
「オレと付き合おうよ。な?」
(とーちゃんじゃない人と付き合えば…とーちゃんの事、忘れられるのかな…?)
ハルはヨウスケに肩を抱かれながら、リュウの顔を思い浮かべた。
小さい頃から大好きなリュウの笑った顔や、ハルがわがままを言った時の少し困った顔がハルの脳裏をよぎる。
(どんなに好きになっても…とーちゃんはこの先もずっと、ハルの事なんか…好きになってくれない…。)
「好きだよ、宮原。」
ヨウスケがハルの顔に、ゆっくりと顔を近付けた。
「っ…!!」
(やっぱやだ!!とーちゃんじゃない人となんて…!!)
ハルは男の子と一緒に公園のベンチに座っていた。
もうかれこれ、1時間半ほどもそうしている。
隣に座っているのは、ヨウスケと言う隣のクラスの男子で、高校に入学してすぐの頃から何度となく“付き合おう”と言われている。
ハルはヨウスケと、学校の友達の事や好きな音楽の話など、他愛もない会話をして時間を潰していた。
ヨウスケと会話しながらも、ハルはリュウの事を考えていた。
(はぁ…。やっぱり、顔合わせづらい…。帰りたくないな…。)
時計を見ると、もう9時半になろうといる。
(ママ、心配してるかな…。とーちゃんは…ハルの心配なんか、しないよね…。)
ハルがぼんやりと考えていると、ヨウスケがハルの顔を覗き込んだ。
「宮原…どうかした?」
「…ううん、なんでもない…。」
ヨウスケに目をじっと見つめられ、ハルは慌てて目をそらした。
「なぁ…宮原…。」
ヨウスケがハルの肩に手を回した。
ハルは驚いて、身動きができない。
「オレ、宮原の事、マジだから。」
「……。」
「オレと付き合おうよ。な?」
(とーちゃんじゃない人と付き合えば…とーちゃんの事、忘れられるのかな…?)
ハルはヨウスケに肩を抱かれながら、リュウの顔を思い浮かべた。
小さい頃から大好きなリュウの笑った顔や、ハルがわがままを言った時の少し困った顔がハルの脳裏をよぎる。
(どんなに好きになっても…とーちゃんはこの先もずっと、ハルの事なんか…好きになってくれない…。)
「好きだよ、宮原。」
ヨウスケがハルの顔に、ゆっくりと顔を近付けた。
「っ…!!」
(やっぱやだ!!とーちゃんじゃない人となんて…!!)