幸せの定義──君と僕の宝物──
「それになんだ?」

「…ハルはまだ15だから、大人になるまで待ってろって…一緒にいても、とーちゃん…キスもしてくれない…。」

「えぇっ?!マジか…!!」

「うん。ギューッて抱きしめたり、頭撫でてくれたりはするよ。あと、一緒に寝てくれる。」

「えっ?もしかして…一緒に寝ても、なんもしねぇの?」

「手は繋いでくれる。あ、たまに腕枕もしてくれるよ。」

「アイツどんだけ真面目なんだ…。オレは絶対無理だな…。耐えられん…。」

思っていたよりずっと、リュウがハルを大事にしている事にトモが驚いていると、ハヤテと話していたリュウが戻ってきて怪訝な顔をした。

「なんだトモ…ハルに変な事吹き込むなよ。」

「吹き込まねぇよ!!」

(ってか、どちらかと言うと吹き込まれたのはオレの方だよ!!)




それからみんなでメグミの手料理を味わいながら、いろんな話をして楽しく過ごした。

しばらくするとリュウが立ち上がり、ユウに車のキーを貸してくれと言った。

「タバコか?オレも行くよ。トモは?」

「じゃあオレも。」

ユウとトモも立ち上がると、ハヤテが笑う。

「悪いな、うちは誰もタバコ吸わないから。」

「いや、レナもいるしな。」

3人が外に出ると、タクミが楽しそうに笑いながらハヤテに話し掛けた。

「ハルちゃんといる時のリュウ、なんかいつもと違うね。」

「オレも思った。なんて言うか…優しいと言うか、穏やかと言うか。」

タクミとハヤテにそう言われて、ハルは首をかしげた。

「そうかな…?いつもあんな感じですよ。」


< 154 / 241 >

この作品をシェア

pagetop