幸せの定義──君と僕の宝物──
しばらくは何もせずぼんやりとしていたレナだが、あまりに退屈なので、ユウが買ってきてくれたパズル雑誌を手に取ってめくってみた。

(どうせ他にやることないし…やってみようかな…。)

レナはクロスワードパズルのページを開き、ペンで答を書いてマスを埋める。

普段こういったパズルはあまりやったことがなかったけれど、やり始めてみるとなかなか面白い。

(頭も使うし、いい暇潰しになるな…。)

レナはしばらく黙々とクロスワードパズルを解いた後、時計を見た。

間もなく8時になろうとしている。

ただ黙って横になっているだけより、時間が過ぎるのが早く感じた。

(もうすぐユウの出る歌番組が始まる…!)

レナはイヤホンを用意して、テレビをつけた。

ほどなくしてユウの出演する歌番組が始まり、ユウたちが登場すると、レナは食い入るようにテレビ画面に釘付けになった。

(ユウ、やっぱりカッコいい…!)

他のアーティストがトークをしている時も、レナは後方の雛壇に座るユウの姿を目で追う。

雛壇の端に座っているユウは時折、隣に座っているベースのリュウと言葉を交わしているようだ。

(何話してるんだろうな…。カメラ遠すぎてよくわからないな…。)

いつも一緒にいるユウをテレビで見るのは、付き合うようになってから2年半近く経った今でも、まだ不思議な気分だ。

レナと二人でいる時とはまた違うユウの表情を見ながら、レナはため息をついた。

(この人が、私の夫なんだなぁ…。)



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