幸せの定義──君と僕の宝物──
ハルはシャワーを浴びながら、リュウが言った言葉を思い出して微笑んだ。
(手ぇ出すな、ハルはオレのだ、だって…。)
普段あまり無駄な事を言わないリュウが、みんなの前でヤキモチを妬いて、ハルを自分のものだと言った。
リュウの気持ちを少しだけ見られた事が、とても嬉しかった。
“大人になったらオレのとこ来るか?”とは言ってくれたけれど、ハルはまだ、リュウの口から“好きだ”とハッキリと言われた事がない。
本当は、ハッキリ“好きだ”とリュウに言ってもらいたい。
大好きなリュウが、あの低く優しい声でそう言ってくれたら、どんなに甘くて幸せな気持ちになるのだろうとハルは思う。
(やっぱり、歳が離れすぎてるハルは子供っぽ過ぎて、好きとか…思ってくれたりはしないのかな…。)
ハルが大人になったら好きだと言ってくれるのだろうか?とも思う。
でもホントは、今、聞きたい。
そばにいられるだけで幸せなはずなのに、どんどん欲張りになって、リュウのわかりやすい愛情を求めてしまう。
(結局…大人って…いつになったらなれるんだろう…。)
シャワーを終えたハルは、濡れた髪と体をバスタオルで拭きながら、いつも着替えを置く脱衣かごに手を伸ばそうとした。
(あっ…しまった!!着替えを持ってくるの、忘れてた!!)
着替えを用意しかけた時にトークのメッセージを確認したりしていたので、すっかり忘れてそのまま入浴してしまった。
(どうしようかな…。)
ハルは脱衣所のカーテンの隙間から、そっとリビングを覗く。
リュウはこちらに背を向けて、ビールを飲みながら電話をしているようだ。
(しょうがない…今のうちに、コソッと取りに行くしかないな…。)
(手ぇ出すな、ハルはオレのだ、だって…。)
普段あまり無駄な事を言わないリュウが、みんなの前でヤキモチを妬いて、ハルを自分のものだと言った。
リュウの気持ちを少しだけ見られた事が、とても嬉しかった。
“大人になったらオレのとこ来るか?”とは言ってくれたけれど、ハルはまだ、リュウの口から“好きだ”とハッキリと言われた事がない。
本当は、ハッキリ“好きだ”とリュウに言ってもらいたい。
大好きなリュウが、あの低く優しい声でそう言ってくれたら、どんなに甘くて幸せな気持ちになるのだろうとハルは思う。
(やっぱり、歳が離れすぎてるハルは子供っぽ過ぎて、好きとか…思ってくれたりはしないのかな…。)
ハルが大人になったら好きだと言ってくれるのだろうか?とも思う。
でもホントは、今、聞きたい。
そばにいられるだけで幸せなはずなのに、どんどん欲張りになって、リュウのわかりやすい愛情を求めてしまう。
(結局…大人って…いつになったらなれるんだろう…。)
シャワーを終えたハルは、濡れた髪と体をバスタオルで拭きながら、いつも着替えを置く脱衣かごに手を伸ばそうとした。
(あっ…しまった!!着替えを持ってくるの、忘れてた!!)
着替えを用意しかけた時にトークのメッセージを確認したりしていたので、すっかり忘れてそのまま入浴してしまった。
(どうしようかな…。)
ハルは脱衣所のカーテンの隙間から、そっとリビングを覗く。
リュウはこちらに背を向けて、ビールを飲みながら電話をしているようだ。
(しょうがない…今のうちに、コソッと取りに行くしかないな…。)