幸せの定義──君と僕の宝物──
「なんでまた急に?」

「弟の結婚式で、ロンドンに行く前に付き合ってた彼女と偶然再会して…。間違いなくこれは運命だと…。」

少し照れ臭そうにハヤテが答えると、タクミが笑って補足説明をした。

「ロンドンに行くために彼女と別れて、なんの約束もしないで12年もずっと離れてたのに、お互いずっと好きだったんだよね!!」

「まぁ…。」

司会者は笑って、感慨深げにうなずいた。

「いい話だねぇ。それでハヤテ、結婚してどう?何か変わった?」

「幸せですよ。すごく。」

笑ってそう言い切るハヤテを、タクミとトモが両隣から冷やかすように肘でつついた。

「このこのっ、幸せ者!!」

「恥ずかしげもなくノロケやがって!!」

そんな様子を、ユウはただ微笑みながら見守っている。

(ユウも私たちが結婚した時には、どこ行っても散々冷やかされて照れまくってたな…。かわいかった…。)

レナは、結婚したばかりの頃に冷やかされ照れて顔を真っ赤にしていたユウを思い出し、思わずクスッと笑った。

「それではそろそろ、スタンバイの方お願いします。」

女性アシスタントに促され、`ALISON´のメンバーがステージへ移動すると、司会者は笑みを浮かべて呟いた。

「`ALISON´のメンバーは一途なヤツが多いのかな?ユウと言いハヤテと言い純愛だねぇ。」



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