幸せの定義──君と僕の宝物──
はるを待つひと
練習を終えて自宅に戻ったユウは、リビングで一人ギターを弾いていた。

(また作ってみようかな…。)

これまで、レナのためにいくつか曲を作ってきた。

今回はレナだけでなく、いつかユヅルが大きくなった時にも聞いて欲しい。

レナと一緒に家族を作れた事や、ユヅルが生まれた日の喜び。

この先もずっとレナと共に生きて行きたいと言う想いと、親としてユヅルに幸せな未来をと願うユウとレナの想い。

大切なレナとユヅルへの想いを込めた歌を作ってみよう。

ユウは優しい表情でギターをはじいて、思い付いたメロディーと浮かんだフレーズをメモしながら、夜が更けるまでその曲を作り続けた。




翌日。

ユウは寝不足にも関わらず、弾むような足取りでレナの病院に足を運んだ。

今日はいよいよ、レナとユヅルが退院して家に帰ってくる。

ユヅルのいる生活は、今までとどんなふうに変わるのだろう?

小さなユヅルを上手にお風呂に入れられるかなとか、赤ちゃんだからやっぱりたくさん泣くのかなとか、初めての子育てにドキドキする。

それは今まで味わった事のない感覚で、多少の不安はあるものの、楽しみでしょうがない。


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