幸せの定義──君と僕の宝物──
歌番組終了後。

ユウは`ALISON´のメンバーと楽屋で着替えを済ませ、タバコに火をつけた。

(レナ、どうしてるだろ…。今日はもう面会にも行けないし、電話もメールもできないし…。寂しがってるかも…。)

ユウがレナの事を考えながらタバコを吸っていると、ハヤテが隣に来てイスに座った。

「ユウ、社長から聞いたけど…奥さん、入院したんだって?」

「ああ、うん…。」

「大丈夫なのか?」

昨日ハヤテの結婚式と二次会に出席した事が少なからず関係していると言う事は、責任感の強いハヤテにはとても言えない。

「うん…まぁ…とりあえず安静にって言われて大人しくしてるよ。」

ユウは曖昧に言葉を濁した。

ハヤテは心配そうな顔で呟く。

「昨日、長い時間付き合ってもらって疲れたんじゃ…。無理させちゃったかな…。」

「いや…レナは楽しかったって喜んでた。なんて言うか…レナは真面目だから頑張りすぎるところあってさ。本人はその自覚ないから、普段通りにやっちゃうんだよ。産休に入るまで仕事して家事もして、なかなかゆっくり休めなかったし、休めてちょうどいいのかも。」

ユウが答えると、ハヤテは小さく息をついた。

「そうか…。ユウも無理すんなよ。オレにできる事あったら、遠慮なく言ってくれよな。」

「ありがと。心配掛けてごめんな。」





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