幸せの定義──君と僕の宝物──
自宅に戻ったユウは、いつものようにレナにキスをして、レナの手からユヅルを抱き上げた。

「ユヅル、いい子にしてた?」

「たくさんミルク飲んでよく寝てたよ。」

「レナも少しは休めた?」

「一緒にお昼寝した。」

「レナはまだ体休めとかないといけない時期なんだからさ。リサさんは仕事忙しいから無理だけど、しばらくおふくろのとこで世話になっても良かったのに…。」

「でもユウ、ユヅルと一緒にいたいでしょ?」

「それはそうなんだけどな。」

「それに私も、ユウといたいもん。」

「オレもレナと一緒がいい。」

ユウは片手にユヅルを抱き、もう片方の手でレナを抱き寄せてキスをした。

「さぁ、かわいい奥さんのために晩飯を作ろうかな。レナはユヅルと一緒に休んでな。」

レナの手にユヅルを抱かせ、ユウはキッチンに向かう。

レナはユヅルを抱いたままその後ろをついていき、ユウの隣に立った。

「ん?どうした?」

「ありがと。ユウ、大好き。」

「ん、オレもレナが好き。」

ユウが少し身を屈めると、レナがユウの両頬にキスをして、それからユウが、レナの唇にキスをする。

「ふふ…幸せ。ユウと結婚して良かった。」

「オレもレナと一緒になれて幸せ。」

「ユヅルもいるもんね。」

ユウはいつでも、甘くて優しい。

病気になって精神的につらかった時も“どんなレナも愛してる”と言って支えてくれた。

妊娠してつわりに苦しんでいた時も、わがままを優しく笑って受け止めてくれた。

切迫早産で入院した時には、毎日のように病院に来て、時間が許す限りそばにいてくれた。

誰よりも優しく温かく包んでくれるユウを、世界一の素敵な旦那様だとレナは思う。

(これからはユヅルの最高のパパになるんだろうな…。)





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