幸せの定義──君と僕の宝物──
翌日。

雑誌の取材が終わったユウは、書店で小説や雑誌を何冊か購入してレナの病院に足を運んだ。

売店でミネラルウォーターと缶コーヒー、それからレナのために果物と野菜のジュースを買ってエレベーターに乗った。


ユウが病室のドアを開けた時、レナは点滴を受けていた。

「あっ、ユウ…。」

「点滴?」

ベッドのそばのイスにユウが腰をおろすと、レナはシュンとして点滴の機械を見上げた。

「なんかね…24時間点滴、しなきゃいけなくなっちゃって…。」

「えっ?」


夕べ、レナは就寝時間になってもなかなか寝付けなかった。

薄暗い中でベッドに体を横たえ、目を閉じていると、なんとなくお腹の張りが気になった。

夕食後に張り止めの薬を飲んだのにと思いながら、レナはお腹に手を添えて、ぼんやりしていた。

しばらくしてその張りが和らいだと思ったら、和らいでいたはずの張りがまた強くなる。

そしてまた和らいだと思ったら、再び強くなるの繰り返しで、その感覚は長いものの、どうしても気になってナースコールを押した。


看護師に事情を説明すると、すぐにモニター機器をつけてお腹の張りを調べる事になった。

1時間ほどして、当直の医師と看護師がやって来て、モニターのグラフを見た後、投薬を飲み薬から点滴に切り替えましょうと言った。

レナはモニター機器を外され、その華奢な腕に24時間点滴の太い針を刺された。

レナの細い血管には点滴針が入りにくかったのか、何度かやり直す事になり、その度にレナは腕に針を刺される痛みに耐えなければならなかった。


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