幸せの定義──君と僕の宝物──
「まだ2日目なのにな。一緒にいるのが当たり前になってたから、一晩離れただけで、いろいろ考えたよ。」

「どんな事?」

「レナがいないと、この部屋こんなに広くて静かなんだなーとか…。よく10年も離れてられたなーとか…いろいろ。」

「ホントだね。もう、あんなに長い間離ればなれになるのはイヤだよ。」

「オレも。…もう2度と離さないけどな。」

ユウは笑ってイスから身を乗り出し、ベッドに横になっているレナの唇にキスをした。

唇が離れると、レナは小さく笑う。

「ふふっ…。」

「ん?」

「夕べの歌番組…思い出しちゃった。ユウはどこにいてもユウだね。」

「ちゃんと伝わった?」

「うん、伝わったよ。私も大好き。」

「じゃあ…改めて、ちゃんと声に出して言おうかな…。オレもレナが大好きだよ。」

ユウは嬉しそうに笑って、また優しくキスをした。

「お互い、しばらくは寂しいけどさ。少しでも寂しくないように、できるだけ一緒にいられるようにするから、なんとか頑張ろ。」

「うん。」

「個室で良かったなぁ…。他の患者さんの事とか気にせずに話せるし…キスもできる。」

そう言ってユウは、またレナに口付けた。

「ユウったら…。」

「だってさ、夜は離ればなれになるんだし…。仕事で顔出せない日もあるだろうからさ。一緒にいられるうちに、いっぱいキスしとこうと思って。」

「うん。」

「子供生まれても、歳とっても、オレはずっとレナにキスするから。」

「私だけにしてね。」

「当たり前だろ。だから、もっとしよ。」


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