幸せの定義──君と僕の宝物──
追憶と現実の狭間で
その頃、リュウとトモはいつものように、行き付けのバーのカウンター席で並んで酒を酌み交わしていた。
「なぁ、リュウ…。」
「なんだ?」
トモはウイスキーの水割りのグラスの中の氷をカラカラと鳴らして、じっと手元を見つめた。
「ユウの結婚式の後、話したじゃん。」
「ああ…あの子の事か…。」
リュウはどこか遠い目をしてビールを煽った。
「ハヤテが結婚するって言い出してからかな…彼女が、夢に出てくるんだ。オレは今のオレなんだけどさ…彼女はあの頃のままで…昔みたいに“トモくん、好きだよ”とか言ってさ…。でも、彼女…泣いてんだよ。」
「なんだそれ…。トモ、もしかして今でもまだあの子の事、忘れられねぇのか?」
「昔の事だしさ…。自分の中では終わったつもりだったんだけどな。あの子と別れてから他の子とも付き合ったし…。まぁ…あの子の時みたいに本気にはならなかったけどな。」
「ハヤテの昔の恋人との運命の再会ってやつに当てられちまったか…。」
「そうなのかもな。」
リュウはくわえたタバコに火をつけた。
「なぁ、リュウ…。」
「なんだ?」
トモはウイスキーの水割りのグラスの中の氷をカラカラと鳴らして、じっと手元を見つめた。
「ユウの結婚式の後、話したじゃん。」
「ああ…あの子の事か…。」
リュウはどこか遠い目をしてビールを煽った。
「ハヤテが結婚するって言い出してからかな…彼女が、夢に出てくるんだ。オレは今のオレなんだけどさ…彼女はあの頃のままで…昔みたいに“トモくん、好きだよ”とか言ってさ…。でも、彼女…泣いてんだよ。」
「なんだそれ…。トモ、もしかして今でもまだあの子の事、忘れられねぇのか?」
「昔の事だしさ…。自分の中では終わったつもりだったんだけどな。あの子と別れてから他の子とも付き合ったし…。まぁ…あの子の時みたいに本気にはならなかったけどな。」
「ハヤテの昔の恋人との運命の再会ってやつに当てられちまったか…。」
「そうなのかもな。」
リュウはくわえたタバコに火をつけた。