幸せの定義──君と僕の宝物──
結局、トモは別の用があるからとリュウの誘いを断り、リュウ一人で地元に帰る事になった。

リュウは車を走らせながら、一人考える。

(やっぱ、会うのが怖かったのかな…。)


“初恋の想い出はキレイなままで残しといた方がいいじゃん。オレの中では、今もあの頃のかわいいアユちゃんのままでさ。”


トモはそう言って笑っていた。

確かにトモの言う事も、一理あるとリュウは思う。

だけど、そのキレイなままの想い出が枷になって、前に進む事ができないのなら話は別だ。

リュウ自身もまた、あれから適当な相手と適当な関係にもなりはしたが、本気で恋をしていない。

(トモだけじゃく、今の現実を受け入れねぇとといけねぇのはオレも同じかもな…。)

同窓会に彼女は来るのだろうか?

もし会えたら…今の自分は、彼女にどんな言葉を掛けるのだろう?




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