幸せの定義──君と僕の宝物──
「オレはさ…もしヒロさんにロンドンに行かないかって声掛けてもらった時に、レナと付き合ってたら…きっとレナを置いては行けなかったよ。」

「あの時は急にユウがいなくなってすごく寂しくてつらかったけど、今思えばそれで良かったんだね。また会えたし…。」

「そうなのかな…。ハヤテも偶然再会したって言ってたけど…ハヤテが言ってた通り、やっぱり運命の相手だったのかも。最初で最後の恋だって言ってたし。」

ユウがそう言うと、レナはユウを少し見上げてニッコリと笑った。

「私にとっても、ユウは最初で最後の人だよ。私とユウも、偶然再会したね。また出会う運命だったのかな?」

「シチュエーション最悪だったけどな…。」

ユウはレナとの絶望的な再会の日を思い出してバツの悪そうな顔をした。

「確かに最悪だったけど…今はユウと一緒にいられて幸せだよ。」

「うん、オレも。レナと結婚して、毎日一緒にいられて…もうすぐ家族も増えるしな。」

ユウは微笑みながら、レナのお腹に優しく触れた。

「それにしても早いもんだな…。あと2ヶ月足らずで生まれてくるんだ。」

「ホントだね。つわりの時はしんどかったけど…ユウがいろいろしてくれて嬉しかった。」

「当たり前だろ。オレはレナの夫だからな。」


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