幸せの定義──君と僕の宝物──
隠していた本心
その頃。

同窓会と二次会が済んだリュウは、ユキとアキラと一緒に実家の近くの居酒屋にいた。

アキラとは中学からの同級生で、ヤンキー時代の仲間で、リュウとトモの昔のバンド仲間でもある。


「久し振りだなぁ、リュウ。」

「アキとは帰国してすぐに一度会ったきりだったな。ユキなんか何年ぶりだ?」

「リュウがロンドンに行ったの、いくつの時だっけ?」

「ハタチの時だったな。ロンドンに行ってすぐに21になった。」

「じゃあ…13年ぶり?知らないうちにいなくなってんだもん。あの時はルリカさんに聞いてビックリしたよ。」

リュウはロンドンに行くまで、母親の皐月が経営する美容室で、姉の琉璃華と一緒に美容師をしていた。

ユキはその頃ネイリストをしていて、ルリカや店の常連客のネイルをするために、よくリュウの家に顔を出していた。

「ユキは今もネイリストやってんのか?」

「うん、ちっちゃいネイルサロンやってる。」

「経営者か!すげーじゃん。」

大人になったからか、バリバリのギャルだった昔に比べるとユキも随分落ち着いたなと思いながら、リュウはタバコに火をつけた。

「ユキはまだ独身なのか?」

「うん。まだ1回も結婚してない。」

「元ヤンでこの歳まで未婚って珍しいな…。」

リュウが呟くと、アキラは自分たち3人を順番に指差して笑った。

「なんだ、3人ともそうじゃん。」




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