幸せの定義──君と僕の宝物──
ハヤテの結婚式の翌日。

今日から妊娠33週目に入るレナは、いつものようにユウの温もりを感じながら目覚めた。

レナは微笑んで、隣でまだ寝息をたてているユウの頬に指先でそっと触れてから、なんとなく下腹部に違和感を感じて首をかしげた。

(ん…?何これ…?)

昨日までとは明らかに違う感覚。

レナは両手でお腹を触ってみた。

(なんだろう…ちょっと硬いような…。なんとなく痛いような…。)

今まで、ちょっと疲れた時に軽くお腹に張りを感じる事はあっても、朝、目が覚めてすぐにこんな事はなかったのにと思いながら、レナはまた首をかしげた。

「レナ…おはよ…。」

目覚めたユウが、レナの頭を撫でながら頬に口付けた。

「あ、ユウ…おはよ…。」

「ん?どうかした?」

首をかしげて眉間にシワを寄せているレナの様子にユウが気付いた。

「なんだろう…。よくわからないんだけど…なんとなく違和感があって…。」

「お腹に?」

「うん。なんか、硬いような気もするし、なんとなく痛いような気もする。」

レナがそう言うとユウは慌てて起き上がった。

「えっ?!それ、なんかまずくないか?」

ユウはいつもそうしているように、レナのお腹に触った。

「あ、ホントだ。硬いかも。」

「…だよね。」

「とりあえず、病院行ってみた方がいいんじゃないか?」

「うん…。ちょうど今日、妊婦健診の日だから先生に言ってみる。」

ユウはレナの頭を撫でながら、心配そうな顔をしている。

「そうか…。オレ、一緒に行こうか?」

「ユウは仕事があるでしょ?」

「そうなんだけど…病院に電話して早めに診てもらうとか、できないかな?そうすれば一緒に行けるかも。」

「どうだろ?電話してみようかな。」



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