幸せの定義──君と僕の宝物──
食事を終えた二人は、ビールを飲みながらタバコに火をつけた。

「リュウ、昨日同窓会に行ってたんだって?」

「ああ…。」

「で…会えたのか?」

「いや…来なかった。来る予定だったらしいけどな…仕事の都合がつかなかったらしい。」

リュウはビールを飲んで、大きなため息をついた。

「なぁ、ユウ…。変な事聞いていいか?」

「昨日トモにも同じ事言われたぞ…?で、変な事って何?」

そう言ってユウはグラスに口をつけた。

「もしさ…昔の女が10歳くらいの子供連れてきて、ユウの子だって言ったらどうする?」

ビールを飲んでいたユウは、あまりに唐突なリュウの言葉にむせて激しく咳き込んだ。

「……はぁっ?!なんだそれ?!」

「いや…もしもの話だよ。ユウならどうすんだろうなと思って。」

過去の自分を振り返ると、可能性がまったくないとも言い切れない例え話にゾッとして、ユウは何度も大きく首を横に振った。

「いやいやいや…。それは…いきなりそんな事言われても…って、パニック起こすだろう?」

「で、どうする?責任取るとか…認めないとか…。」

「どうする?って…。」

ユウは混乱した頭で、ぐるぐると考える。

「とりあえず…本当に自分の子か確かめる。それから…オレにはレナがいるからな…。もし自分の子だったら、相手と結婚とかは無理だけど…養育費払うとか…。」

「そうなるよな…。やっぱ、まずは確かめねぇとな…。」

「えっ…まさかリュウ…子供が…?」


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