幸せの定義──君と僕の宝物──
とりあえずベッドから出て顔を洗い、着替えを済ませて、レナは病院に電話を掛けてみる事にした。

スマホの電話帳画面を開き、病院の電話番号を画面に映し出して通話ボタンをタップした。


4コール目で呼び出し音が途切れ、当直の病院スタッフが電話に出た。

「朝早くからすみません、今日の10時半に健診予約をしている片桐です。」

ユウはキッチンで朝食の用意をしながら、電話をしているレナの声に聞き耳を立てている。

レナが事情を説明すると、どうやらスタッフが先生に電話を取り継いだらしい。

(大丈夫かな…。昨日、長い時間外に出て疲れたのかも…。あんな席だしな…。)

カフェオレを淹れながらユウがそんな事を考えていると、レナは相槌を打っている。

「ハイ…わかりました。すぐ行きます。」

(えっ?すぐ?!)

ユウが驚いて顔を上げると、電話を終えたレナがユウの顔を見て眉間にシワを寄せた。

「あんまり良くないみたい。先生がすぐに来なさいって。」



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