幸せの定義──君と僕の宝物──
警備員に促されトモが先に進もうとした時、少年は顔をしかめて屈み、足首を押さえた。
「あれ…?なんか痛い…。」
「あっ…さっきので挫いたか?」
「そうみたい。」
「どうしようか…。とりあえず手当てしないとな。一人で来たのか?」
「うん。」
とりあえず手当てをしなければと思い、トモは少年を抱きかかえて、店の外に停めてある事務所の車に乗り込んだ。
車に乗っていた事務所のスタッフが驚いてトモに声を掛けた。
「トモ、どうした?その子は?」
「さっきオレがぶつかって、足挫いちゃったみたいなんだよ。店に救急箱あるかな?」
「聞いてみるよ。」
スタッフは車を降りて店の中へ入って行った。
タクミはまた二人の顔を見比べて笑っている。
「しかし似てるよねぇ。」
「ああ…。オマエいくつ?」
「12歳。」
「12歳って言うと…何年だ?」
「6年生だよ。」
「小学生がこんなところに一人で来ていいのか?」
「だってさ、母さんがダメだって。でもオレはトモに会いたかったから内緒で来た。」
「内緒で来たのか?そりゃダメだろう…。」
トモは昔の自分に似ているこの少年を、なぜか他人とは思えず、放ってはおけないような気がした。
(怪我させちゃったしな…。一人で帰せねぇよなぁ…。一人で来たって事は、家は近いんだろうし…後で送ってくか。家の人にも謝っとかないと…。)
トモがそんな事を考えていると車のスライドドアが開いて、スタッフが救急箱を差し出した。
「トモ、救急箱借りてきたよ。」
「ありがとう。」
トモは少年の足に湿布を貼り、包帯を巻いた。
「これでいいかな…。」
トモが手当てを終えると、スタッフが救急箱を店に返しに行った。
「あれ…?なんか痛い…。」
「あっ…さっきので挫いたか?」
「そうみたい。」
「どうしようか…。とりあえず手当てしないとな。一人で来たのか?」
「うん。」
とりあえず手当てをしなければと思い、トモは少年を抱きかかえて、店の外に停めてある事務所の車に乗り込んだ。
車に乗っていた事務所のスタッフが驚いてトモに声を掛けた。
「トモ、どうした?その子は?」
「さっきオレがぶつかって、足挫いちゃったみたいなんだよ。店に救急箱あるかな?」
「聞いてみるよ。」
スタッフは車を降りて店の中へ入って行った。
タクミはまた二人の顔を見比べて笑っている。
「しかし似てるよねぇ。」
「ああ…。オマエいくつ?」
「12歳。」
「12歳って言うと…何年だ?」
「6年生だよ。」
「小学生がこんなところに一人で来ていいのか?」
「だってさ、母さんがダメだって。でもオレはトモに会いたかったから内緒で来た。」
「内緒で来たのか?そりゃダメだろう…。」
トモは昔の自分に似ているこの少年を、なぜか他人とは思えず、放ってはおけないような気がした。
(怪我させちゃったしな…。一人で帰せねぇよなぁ…。一人で来たって事は、家は近いんだろうし…後で送ってくか。家の人にも謝っとかないと…。)
トモがそんな事を考えていると車のスライドドアが開いて、スタッフが救急箱を差し出した。
「トモ、救急箱借りてきたよ。」
「ありがとう。」
トモは少年の足に湿布を貼り、包帯を巻いた。
「これでいいかな…。」
トモが手当てを終えると、スタッフが救急箱を店に返しに行った。