幸せの定義──君と僕の宝物──
スタッフが戻って来て事務所に帰った後、運良くその後の仕事がなかったトモは、事務所の駐車場に停めていた自分の車にマサキを乗せた。

「とりあえず送るか。家の人に連絡は?」

「母さん仕事からまだ帰ってないよ。ばあちゃんも今日は友達と出掛けてる。」

「そうか…。じゃあ、とりあえず行くか。」

トモは不思議な気持ちで車を走らせた。

「世の中には3人似た人がいるとか言うけど、ホント似てるよなぁ…。」

地元までの慣れた道のりを、自分とよく似た少年を乗せて車を走らせている。

(息子連れて里帰りみたいだよな…。ってか、この歳で息子12歳って…でか過ぎんだろ…。)

顔と名前だけでなく、6年生と言うわりには小柄なところも、マサキは昔の自分に似ている。

(しかも地元の子って…。不思議な事ってあるもんだなぁ…。)

途中でお腹が空いた二人は、ハンバーガーショップのドライブスルーに寄った。

「マサキは何にするんだ?」

「エッグチーズバーガー!!」

「ハンバーガーの好みまで一緒かよ…。」

車を走らせながらハンバーガーを食べた後、朝が早かったせいかマサキが助手席でうたた寝をし始めた。

あどけないその寝顔を見て、トモは優しい顔で微笑んだ。

(なんかかわいいな、コイツ…。息子がいたらこんな感じなのかな?)


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