やっぱり、好き【短編】


我ながら…考え無し。受験するくらいの頭があるなら、もっと別の方法があるかも知れないのに。


いつの間にか、樹達は見えなくなっていた。


「よかった…気付かれなくて」


足元に、雪ではない温かい雫が落ちた。


「―…ごめん…好き…」


届かない言葉を、何度も何度も繰り返す。

やっぱり…忘れられない…
< 10 / 19 >

この作品をシェア

pagetop