俺様 何様 王子様ッ!?
ここ、涼しいな・・
ちょうどいい。このへんで少し休
んでいくか。
どこか座れる場所が無いかと周り
を見渡すと・・・
あ。あいつ。さっきの・・・
泣い・・てんのか?
そして気づいたら俺は近くにいっ
てそいつに話しかけてた。
「さっきの試合・・・残念だった
な。」
・・・シカトかよ;
そう思うと そいつはいきなり口
を開いた。
「あたしのせいだ・・・。」
は?
「あたしのせいであのチームは負
けた。」
いやいや。それはないだろ;
とか思いつつ、俺はちょっと質問
してみた。
「なんで、ベンチにさがらなかっ
たんだよ。」
俺の一番の疑問。小学生の俺にも
わかる。あの転びかたはやばい。
「だって、かっこ悪いぢゃん。
転んだくらいでベンチなんて。」
いや、転んだくらいって血の出方
じゃなかっただろ;
「痛くなかったわけ?」
「いや、痛いよ。ここまで痛かっ
たこと今までにないね。」
笑いながら、そいつは答えた。
ありえねぇー
「んぢゃあ、なんで笑ってんだよ
。痛ぇんだろ?」
「One For Allだから・
・・。」
「あたしもチームのために頑張り
たかったんだよね。あたし、走る
ことしか出来ないからさ。シュー
ト、あんまし入んないし・・。」
一瞬そいつが力無く笑った。
・・・
不覚にも俺はその姿に見とれてし
まった。