(短編集)ベッドサイドストーリー・1
帰りはバスで街の近くまでいけるということを教えて貰って、僕は観光用に作られたみやげ物屋の近くで下ろしてもらった。去っていく車に手を振って、さて、と思って振り返ったんだよ。もう本当にヒョイって。何の覚悟もしないで。
そしたら。
そしたら!
・・・君がいたんだ。
目の前で、赤いくるぶしまでの巻きスカートにタンクトップ姿で。
ニコニコ笑って。
そして日に焼けた髪を振って、顔をほころばして言ったんだよね。
「とうとう来たんだ、待ってたよん」
覚えてるかな、僕は暫くぽかーんとしていた。え?って。まだ贈り物の箱を開ける前から中身が判ってしまったような、飛び出てきたような、そんな気持ちだったんだ。
だから言ったんだ、君に。指をさして。
「・・・どうしてここにいるんだ?」
君は首を傾げた。あら、追いかけてくれたんじゃなかったの?って。
僕はまだ呆然としていたけれど、何とか頷いた。確かに、僕は君を追いかけてきたのだから。
君は風に向かって手を伸ばして、顔を空に向けながら言った。ここのお土産もの屋さんは英語が話せるの。だからここに来て、店を手伝ってご飯を貰って、居させてもらってたの、って。