漆黒の破片 II
いっつまでも酷いんだから!
私はれっきとした女の子ですよーだ!
べーっと莞爾にぃにするけど
ほっぺをむにゃっと引っ張られる
「い、いひゃいれす」
莞爾にぃはクククっと笑うと
鼻でふんっと言った。
「お前も普通の女の子に戻りたいか?」
急に真面目な顔をして聞く莞爾にぃ。
悲しそうに目尻がきゅっと下がってる。
「うぅん。そんなことないよ。
私は、皇龍に入って、色々な仲間と
出会って幸せだなぁって思うよ?
それに、こんな憎くて優しい
お兄ちゃんもいるしね!」
えへへってほっぺを持ち上げると
莞爾にぃも寂しそうに笑った。
「奈々…………。」
頭をポンポンと叩くと急に匂いを
嗅ぎだした
え、え、何!?私臭いのかな!?
「な、何っ?」
「いや……いつからこの香水
だったかなぁっと思ってな……」
「えっとね…中学生だったかな?」
「そんなに前かぁ……前は
甘いお菓子みたいな匂いだったもんな」