漆黒の破片 II
この香水はね………
隆広がくれたんだよね…
ー隆広sideー
「ねぇ、ねぇ!隆広ーー?
最近どこいってるのぉ?里奈心配
なんだよぉー?ね、隆広!今度一緒に
スイーツカフェ行かない?」
俺の腕に蛇みたいに絡み付いてくるのは
俺のカノジョの里奈。
記憶喪失になる前も彼女だったらしい。
だから、なんでこんな俺が
嫌がってしまうのかさえ自分で
わからない……
俺は本当に里奈が好きだったのか?
気になるのは奈々。
皇龍の総長だって言うし、
なんか………急に可愛くなったって
言うか…大人っぽくなった……
それと、アイツから微かに香る
懐かしい香水の香り。
「ねぇーぇー!
隆広ってばぁ!ちゃんと聞いてる?
ほら、ここ!」
里奈から香るのはキツイ香水。
鼻がもげるかと思うくらいキツイ匂い
「あぁ、また、今度行こうな。」
素っ気なく返事すると、里奈が
「ふぅーーん。じゃあまた、行こっ」
俺は小さくため息をついた
ー隆広side endー