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「主は、そこに書いてあることを基本として活動しております。」
チラシに目を落とすと、
「なぜ…俺のとこに?」
素朴な疑問を口にする。
「なぜ?……なぜでしょうか」
「はぁ??」
「なぜと言われれば、そこにあなたがいたから…ですかね?」
ニコリと笑う津辻。
そういや、この人俺の目の前に現れてからずっと笑ってんな…
「すきなひと…すきだったひとならいるけど……」
「今告白されたから問題ない…と?」
うっ……
言葉に詰まる。
「断りでもしたら警察に突き出されるかもしれないんだから、断る事などありえないだろ、と?」
「そう………だよ………………」
ぽそりと呟くように答える。
「そうですね…じゃあこれでどうでしょう?
例えば、彼女が他言できないくらいにアナタを愛すようになる…とか?」
「え…」
なんだそれ……
相田の頭の中はもうパニックで何がなんだか追いつけない。
「簡単に言うと、あなたのことが好きすぎてお金なんてどうでもいい。お金よりあなたになる。ってことです。」
なんだか、よくわからないけど。
「よくわからないけど……そうなれば俺は遥に警察に突き出されることも、金を請求されることもなくなるってことか?」
「ええ、まあ、そういう事ですね」
津辻は手袋をいじりながら答える。
なんだよ、それ……
「なんだ…それ、
最高じゃないか」
津辻が、クッと笑った気がした。