▽恋愛屋はコチラから▽
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明け方になり、相田が帰宅する。
手にしていた一万円札の束は綺麗さっぱり無くなっていた。
ガチャリとドアを開けると、真っ暗なのにも関わらず、冷蔵庫の前に遥が蹲っていた。
「ーーーっ…びっくりした…何してんだこんなとこで」
部屋の電気をつけると、遥はゆっくりと相田を見た。
その目に、生気は感じられない。
ふと、テーブルの上に目をやると恋愛屋のチラシが無造作に置いてある。
「なんで……これ…」
相田が緊迫した表情でテーブルに置いてあるチラシを見る。
「ねぇ…翔…」
遥がぽつりぽつりと言葉を紡いだ。