BLUE‐PRINCE





あの時……学校に戻ってから、いろいろ大変だった。



まず、僕は、窓から外に出て先生を無視した件で怒られ。


その後は校長先生に無断外出で怒られ。


さらにはサボりの件で、先生1人1人に謝った。



そして。



ヤンキーたちに連れ去られた女子生徒を救ったという行為を褒められ、なぜか全校集会で表彰された。


もはや自分が良いことをしたのか悪いことをしたのか分からない。


おかげで、クラス…いや、学校中の生徒から『勇気ある少年』という目を向けられることになってしまった。



「今日の家庭科楽しみだな〜」



隣には、ルンルンと呑気に歩いている朱架。


1ヶ月前からクラスに復帰し、今はもう完全に打ち解けている。


可愛くて気さくな朱架は、女子からも男子からも人気がある。


頭もよく、スポーツも料理もできる。


なのに不思議と妬まれない。


朱架は……すごいと思う。


辛い過去を持っているのに、あんなに明るく過ごして。


たまに見せる切なそうな顔に…僕が気付いていないとでも思っているのかな。




「調理実習だし、メニューはプリンとシュークリームだよっ?絶対美味しく作んないと!」



かなり気合いが入っている。


甘いものが好きな朱架だから、当たり前か。



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