BLUE‐PRINCE
──ガラッ
教室のドアを開けて、朱架と中に入った途端。
「おはよー朱架っ!」
茶髪の女子が全力で駆け寄ってきた。
「おはよう玲奈!」
朱架も笑顔で返す。
川瀬玲奈は、今や朱架の親友。
あの倉庫を飛び出してから、僕の言った言葉をよく考えたらしい。
で、出した結果が『前を向く』。
『──いくら彼女を恨んでも、母さんは帰ってこないから。それなら、私は母さんに誇れる人生を歩むよ』
それが、玲奈の出した答えだ。
「朱架、今日もかーわーいーいっ!」
「玲奈のほうが可愛いよ〜!」
「何言ってるの、この美少女め!」
じゃれあう2人。
……平和すぎじゃないかな。
まぁ、いいことだけど。