BLUE‐PRINCE




──ガラッ



教室のドアを開けて、朱架と中に入った途端。



「おはよー朱架っ!」



茶髪の女子が全力で駆け寄ってきた。



「おはよう玲奈!」



朱架も笑顔で返す。


川瀬玲奈は、今や朱架の親友。


あの倉庫を飛び出してから、僕の言った言葉をよく考えたらしい。


で、出した結果が『前を向く』。



『──いくら彼女を恨んでも、母さんは帰ってこないから。それなら、私は母さんに誇れる人生を歩むよ』



それが、玲奈の出した答えだ。



「朱架、今日もかーわーいーいっ!」


「玲奈のほうが可愛いよ〜!」


「何言ってるの、この美少女め!」



じゃれあう2人。


……平和すぎじゃないかな。


まぁ、いいことだけど。


< 109 / 179 >

この作品をシェア

pagetop