BLUE‐PRINCE
次の日の昼、僕はまた屋上に向かう。
貯水タンクの裏側。
そこに足を踏み入れると、彼女はいた。
「葵くん、お邪魔してます!」
「うん」
いつもの場所に座り、今日はミルクティーを飲む。
甘い。
やっぱりコーヒーが良かったかな。
「葵くんって、ちゃんとしたご飯食べないの?」
朱架が僕のミルクティーを見ながら言う。
ちゃんとしたご飯?
弁当のこと?
「…母さんが『作る』って言ってくれてるけど、学校だとそんなに空腹にならないから、断ってる」
「……そうなんだ、もったいないなぁ………」
あ、また、哀しそうな笑顔。
何かを抱えているような瞳。
どうして、そんな顔をするんだろうか。