BLUE‐PRINCE



「み、南くんっ!!…おはよ!!」



1人の女子が、僕に挨拶してきた。


顔が真っ赤だ。


朱架と同じくらい、真っ赤。


薄々は、気付いてる。


彼女が……僕に好意を寄せていることに。


いつもなら、「うん」で済ませているだろう。


……でも。



「…おはよう」


「!!!」



そう返すと、その女子が大きく目を見開く。


そして嬉しそうに、席に帰っていった。


……僕なんかの、どこがいいんだろうか。


朱架にも、何度も尋ねた。


そうしたら、帰ってきたのはこの答え。



『葵くんのいいところはたくさんあるけど…あたしは、そこが好きなわけじゃない。葵くんのいいところ、悪いところ、全部含めて大好きだから!』



いいところも悪いところ好き?


悪いところまで、好きになれるものなのだろうか。


朱架には悪いところがないから、それを考えたことはないけれど。



< 110 / 179 >

この作品をシェア

pagetop