BLUE‐PRINCE
「み、南くんっ!!…おはよ!!」
1人の女子が、僕に挨拶してきた。
顔が真っ赤だ。
朱架と同じくらい、真っ赤。
薄々は、気付いてる。
彼女が……僕に好意を寄せていることに。
いつもなら、「うん」で済ませているだろう。
……でも。
「…おはよう」
「!!!」
そう返すと、その女子が大きく目を見開く。
そして嬉しそうに、席に帰っていった。
……僕なんかの、どこがいいんだろうか。
朱架にも、何度も尋ねた。
そうしたら、帰ってきたのはこの答え。
『葵くんのいいところはたくさんあるけど…あたしは、そこが好きなわけじゃない。葵くんのいいところ、悪いところ、全部含めて大好きだから!』
いいところも悪いところ好き?
悪いところまで、好きになれるものなのだろうか。
朱架には悪いところがないから、それを考えたことはないけれど。