BLUE‐PRINCE
『その人とは……4組の、南葵君です』
・・・・・・・・。
「は?」
思わず、声に出てしまった。
今、僕の名を呼んだ?
は?え?どういうこと?
無理だよ、そんないきなり言われても。
聞いてないし。
あ、そうか、土壇場でって言ってたっけ。
違う、そうじゃなくて。
……僕が、話すのか?
『南君、壇上に上がってきてください』
「……はい」
もう行くしかない。
こんな目立つところで、反抗なんかできない。
仕方なく立ち上がって、生徒のあいだをぬって壇に向かって歩く。
先生たちがニヤニヤしているのが分かる。
最初からこういうつもりだったのか。
教えてくれてもいいじゃないか。
少しムスッとしながらも校長先生の隣に立つと、相変わらずニコニコしながら彼は僕を演台の前に立たせた。
・・・何言えばいいんだ。
少し後ろを振り向いて、校長先生に助けを求める。
「……校長先生、いきなり言われても」
「大丈夫です。言いたいことをいいなさい。それに間違いはありませんから」
言いたいことって……
考えながら、正面を向く。
…………この際、やるしかない。