BLUE‐PRINCE




『えっと……』



僕の声が、体育館中に響く。


何だか妙に気持ち悪い。



『…皆、長い話は嫌だと思うし、僕も早くここから立ち去りたいので……1分で済ませます』



保護者席から微かに笑い声が上がる。


どこがおかしいんだ。


ここに立ったら、きっとみんな逃げ出したくなるに決まってるのに。


居心地の悪さを感じながら、続ける。



『僕は…至って真面目な生徒だったと思います。多分。……1年の、秋までは』



そう。


あくまでも、秋までの話。



『1年の秋…僕は初めて先生に逆らいました。学校をサボりました。当たり前だけど、怒られました』



チラリと、あのとき無視してしまった先生を見る。


何かを思い出すように、少し笑みを浮かべながら僕を見ていた。



『…で、よくわからないけれど、〈不良から女子生徒を救った〉ということで表彰されました。きっとみんなから見れば、そんな感じだったのかもしれない。でも……』



でも、違う。


違うんだ。

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