BLUE‐PRINCE
朱架に笑いかけた海利さんは、僕の方を向いた。
「……朱架を泣かせたらぶっ殺すぞ」
鋭い瞳。
僕もその瞳を真っ直ぐに見た。
「その予定はありません。唯一あるとしたら……僕があなたにぶっ殺されたときでしょうか」
「……おもしれぇ。気に入った!」
豪快に笑った彼は、僕の方を叩く。
地味に痛い。
「その辺にしとけって。俺の息子だぞ?」
顔をしかめていると、父さんが助け舟を出してくれた。
はたと手を止めた海利さんは父さんに向き直る。
「あ、そういや、あの馬鹿どこ行った?」
「ん?あぁ、アイツか。そこら辺にいると思うけど」
「私、探してこようか?」
「「やめろ咲誇」」
父さんと海利さんの声が重なった。
ということは、『あの馬鹿』というのは……