BLUE‐PRINCE
「葵くーん!」
「こら玲奈っ!?」
「父さん、早くってば!」
「お前の荷物が多いんだっての」
後ろから、騒がしい会話が聞こえてきた。
振り返ると、玲奈が駆けてくるのが見えた。
その他に、あともう一人いる。
「よぅ玲奈、翠斗」
「こんにちは、蓮央さん、咲誇さん、海利さん!」
父さんが笑顔で挨拶しいている。
玲奈は笑顔で答えた。
「よぉ蓮央…。このじゃじゃ馬をどうにかしてくれ」
「咲誇ほどじゃねぇだろ」
笑顔で会話する2人。
長年の壁なんて……もはやどこかに行ってしまった。
母さんも、にこやかに話している。
ここまで来るのに時間はかかったけれど、結果としては良好だ。
「さっきのプロポーズ、最高だったよ♪」
玲奈が茶化してくる。
気恥ずかしくなって目を逸らした。
「あー!葵くんが照れた!レアだ!!これはファンの皆に高く売れる!」
「……行こう、朱架」
「えっ、あ、うん!」
玲奈がスマホを取り出したので、朱架の手を引いて足早にその場から去った。