BLUE‐PRINCE
「わわっ、待って、葵くん!」
足をもつれさせながら歩いている朱架。
無性に愛おしい。
朱架の小さな手を握り締め、引き寄せる。
「っきゃ!」
転びそうになった彼女を、そっと抱きしめる。
「…朱架、これから海行こうか」
「えっ?」
きょとんとして僕を見上げる朱架。
「どんな所かって、言ってなかったっけ」
「言った……結構前に………」
「言葉じゃ説明できないから、見せた方が早いと思うんだけど」
「葵くん……」
朱架の顔が、少しずつ笑顔になる。
「行こうか」
「…うん!!」
僕は、朱架の手をしっかりと握って歩き出した。