BLUE‐PRINCE
無事に高校を卒業し結婚した、僕と朱架。
朱架は大学へ進学したけれど、僕はそんな気力がなくて高卒で働くことにした。
就職先は、父さんと同じところ。
政治家とかの専属運転手で、当たり前だけど免許が必要で。
これまで2回運転免許試験に落ちている僕は、父さんの力を借りることにした。
「あー、だからそこはそうじゃねえって。そこはこっち!…おい、事故るぞ!!」
僕はほぼカンで運転しているのでたまに車をどこかにぶつける。
この間なんて、父さんの愛車でガードレールに思い切り突っ込んでしまった。
あのときの父さんは、髪よりも真っ青な顔をしていた。
「…おいおいおいっ!!アクセルとブレーキ間違えてる!!!」
ぼんやりしていたら、どうやら間違えてはいけないところを間違えたらしい。
「…あぁ、ごめん」
「お前なぁ……。絶対咲誇の遺伝子受け継いだろ」
「多分そうだと思う」
呆れ気味の父さん。
「試験は明日だぞ?大丈夫なのか?」
「次無理だったら諦めるよ」
「馬鹿。どうやって朱架たちを食わしていくんだよ」
「………明日は頑張る」
「とりあえず、今から頑張ろうか」
父さんに促され、僕は慎重にアクセルを踏んだ。