BLUE‐PRINCE



朱架は、今、妊娠している。


今月が臨月。


いつ産まれてもおかしくない状況なので、今は休学して家にいる。


家というのはあのマンションではなく、
【睡嵐】の人達…圭太さん、諒真さん、歩さん、真浩さんが買ってくれた、大きな一軒家。


『結婚祝いだ』と言われ、半ば強制的にプレゼントされた。


一等地にある豪邸なのに一括払いで買ったらしく、ローンはない。


さすが……世界有数の御曹司なだけある。



「そういえば葵、子どもの名前は決めたのか?男だったよな」



父さんが思い出したように言う。


子どもの名前、か……



「この間、やっと決まった」


「へぇ。何て名前だ?」


「……奏多」


「カナタか。いいじゃん」



くしゃりと僕の頭を撫でる父さん。


こうされると、何故か落ち着く。


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