BLUE‐PRINCE
……行かないと。
迷うことなく、足で踏んで開けるタイプのドアを開けた。
開かれたドアの向こうにいたのは……
「葵、くん……」
台の上に横になっている、朱架だった。
元気そうな様子にホッと胸をなでおろす。
「来てくれたんだ、ね!」
「当たり前だよ。……大丈夫?」
「うん、今はおさまってる…。約束、守ってくれてありがとう」
力なく笑う朱架。
さっきまで陣痛があったのだろうか、額に汗が浮かんでいる。
小刻みに震えている朱架の手を握り、その汗を拭いた。
「朱架……ごめん、僕何もできないけど………傍にいるから」
「それだけで十分だよ」
朱架が、また笑う。
なんで僕は何も出来ないんだろう。
何かできることは、ないのだろうか。
「葵くんがいてくれたら……頑張れるから」
「…うん。頑張ろう」
『頑張れ』なんて、言わない。
朱架の子であり、僕の子でもある。
2人で頑張らないといけないから。