BLUE‐PRINCE
「もうそろそろです!」
一息ついていると、数人の助産師さんたちが駆け込んできた。
「旦那様はこちらに!」
「え」
2人がかりで押され、僕は少し離れた場所に連れていかれた。
「立ち会いは、こちらでお願いします」
「傍にいてはダメなんですか?」
「はい」
一刀両断されてしまい、仕方なく朱架を見守る。
彼女は、少し頭を傾けて僕を見て、小さく笑った。
「葵くん、大丈夫だよ…。心配しないで」
「……うん」
心配しない、わけが無い。
でも、僕にできるのは、朱架と奏多の無事を祈ることだけ。
どうか、2人とも無事でいて欲しい。
これから、僕がどんなに苦しんでもいいから。
何でもするから。
だから……頼むから、元気でいて。
「ゔっ……あ゙…!!」
苦痛に顔を歪める朱架を見て、ただそう願った。